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[コメント] 折り梅(2001/日)

久しぶりに劇場でショックを受ける。見る前に内容チェックしてたら見に行かなかったであろう。が、見ると思いっきり涙、この矛盾。
ピロちゃんきゅ〜

確かに昔、フェリーニの『』を見て、ものすごく涙が止まらなかった事があるが、あれも、見る前にあらすじを読んでいたら、わざわざ劇場に足を運ばない映画だと思う。でも、結局見ると、わんわん泣いてしまうのだ。だから未だに「最も記憶に焼きつく映画」「最も泣いた映画」として『』をいつも挙げるのだが、同時に、再度見ようとは思わない映画でもあったりする。

この『折り梅』もそんな1本だった。前情報無し、たまたま都内に出たついでに近くでやってる映画を、というきっかけ。あまりにも無防備で見に行ってしまった。原田美枝ちゃんきゅ〜な映画と思ったら『愛を乞うひと』ぐらいの圧倒的な存在感でビンタを食らうので鳩が豆鉄砲をくらったようになるのだ。今回は更に、この美枝ちゃんきゅ〜に負けじと吉行さんが気合を込めて演技しているので、更にビンタを食らうのであった。にしても、やっぱり美枝ちゃんきゅ〜。相変わらず、この女優は、スゴイ。ま、これは要らんキャラだな…というおばちゃんや、娘との絡みがもうちょい欲しいな…とか、トミーズ雅にもう少しキャラが欲しいな…とか、細かいネタが足りないというか工夫不足というか、まあ、いろいろあるけど、それらを飛び越えて、原田さんの良さに堂々の5点をあげよう!と、思ったけど、やっぱいろいろ思いつくアイディアの数々が実現されていたら…と思うと4点でいいや。なんだかな〜だけど。

ところで、見に来ていた客層が、異様に高齢だった。一体この映画はどんな宣伝効果でこうなっているのだ?ぐらい。痴呆の問題などは、高齢者の方々にしてみれば切実な問題であろうに。こんな風に美しく映画的に表現されても、いざ現実は…ってならないもんなんだろうか?自分らのようにトミーズ雅的立場にある身分だからこそ感動も出来るし、希望も感じるけど、いざ、自分がアルツハイマーになって、こんな映画コメントを書いたそばから「こんなの書いた覚えがねぇ!」なんて言ってる自分を想像するに、やってられない、生きてられない感覚になるけどな。というわけで、この映画は、30〜40代の、親がもうかなり参ってます世代の為の映画だと思うんだが、はたして、どうなんですか?今度、田舎に帰った時、これを見る?もうきっと「頼んだぞ!兄にはもう頼れないから、お前ら夫婦だけが命綱なんだぞー!」という目で見られる事必至。オソロシー。一番、恐れるのはうちの奥さんか?だろうな。

(評価:★4)

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