[コメント] 魔人ドラキュラ(1931/米)
レンフィールドの報われない哀れな姿の方が丁寧に描かれ、レンフィールドを演じるドワイト・フライの好演もあって、ドラキュラよりも主役に見えてしまう。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ブラム・ストーカーの「ドラキュラ」の映画化作品。
ドラキュラ伯爵が司書として雇った青年を利用し、トランシルヴァニアからロンドンにやって来て、精神病院の院長の娘のミナを狙う展開。
ドラキュラ伯爵役のベラ・ルゴシは出で立ちや佇まいは品格を感じさせるが、演技となると、やや抑揚を付けすぎな感もあり、どこか場違いな印象を与えてしまっている。序盤でレンフィールドに十字架を向けられ、仰け反るシーンも、ちょっとギャグっぽかった。
映画としては時代的な背景もあろうが、ドラキュラが人を襲うシーンが直接的に描かれないので、ドラキュラがミナを狙っているという恐怖感や緊迫感があまり感じられなかったのが残念。
最後も追い詰められ、棺に入ったドラキュラが無抵抗で簡単に殺され、ドラキュラに襲われ吸血鬼化し始めていたミナの呪いもあっさり解けてしまうので何か呆気ない。
むしろこの作品は、ドラキュラに取り込まれ、ドラキュラをロンドンに運ぶ手引きをするも、素っ気無い態度をとられ、終盤にはヴァン・ヘルシング教授らにミナ救出のためのサポートをしているのを知られ、殺されてしまうレンフィールドの報われない哀れな姿の方が丁寧に描かれ、レンフィールドを演じるドワイト・フライの好演もあって、ドラキュラよりも主役に見えてしまう。
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