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[コメント] 乙女の祈り(1994/英=独=ニュージーランド)

美しさと恐ろしさというのはどこかに親密さがある。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 本作は多感な少女期に起こり得ることを丁寧なタッチで描いた作品という側面もあるが、一方では夢見がちな人が起こす、妄想全開のこの世ならざる世界を描いているという側面もある。普通の人間でも妄想に凝り固まってしまうと、簡単に現実から一歩足を踏み外してしまう。これは精神的な意味でのホラーに他ならないし、同時に少女に託し、彼は自分自身を描いているかのようにも見える。夢見がちで、自分の独自の世界を作り出し、その空想(妄想?)にふけっている自分自身を。そして自分自身の想像の世界を実際にクリエイターとして作り出せるようになった今こそ、自分自身を描ける!と感じてこの作品を作ったようにも思える。だからこそ本作は不思議な魅力を持つのかもしれない。

 ただ、PJが作り出す世界、そして子供の頃に傾倒した世界はおそらくかなりホラー気味だったために、本作はどこか不気味で背徳的な雰囲気も持つ。それができるのも才能というものなのだろう。

(評価:★3)

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