[コメント] クライム&ダイヤモンド(2001/米=カナダ)
映画を見終った人むけのレビューです。
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殺し屋に捕まった男が話す、自ら犯した宝石強盗のあらましを描いた映画。
殺し屋に捕まった男フィンチが話す実話なのだが、映画好きがために映画的に美化して話を進めようとする殺し屋のジムとフィンチのやりとりが非常に面白い。
しかし、この映画で何より評価できるのがダイヤモンドを盗む計画がともかく綿密で次の展開が楽しみになってしまう。
序盤の強盗シーンはマジックを目暗ましに使って盗むという斬新なもので面白かった。さらに中盤のフィンチの強盗計画は自分の身分を偽造する為に使った人物が実は殺し屋に狙われていたためにフィンチも命を狙われていたのに、証拠となるビデオを見つけてからは逆にその立場を利用してダイヤの隠されてる刑務所に侵入するなど今までにあまり見たことのないシナリオ。さらにダイヤを盗むのに伝書バトと使ういうのも斬新なアイデアで、刑務所の中で刑事にいつばれるかも知れない中でフィンチがダイヤを盗みつづける展開は非常に緊迫感があった。
展開的に強盗の話の間にフィンチとジムのシーンがはさまれたり、同じ展開を繰り返したりと多少監督の個性が出ている割には、癖もなく素直に楽しめた。
ただ、この映画で残念なのがマイコーと娘のテスとの親子関係が多少説明不足なためフィンチとテスが結ばれる展開にちょっと説得力がないこと。2人の恋愛エピソードはこの映画では結構重要なのだが、そのエピソードにはマイコーが重要な割にはマイコーの運命はあっけないので最後の印象がちょっと薄くなってしまった。
しかし、それを差し引いてもダイヤモンドを盗むまでの展開は先の展開が非常に楽しみになるし、爽快感もあって申し分のない出来。ラストもフィンチの話を聞いていたジムが最後にはフィンチを助けて2人を結ばせようするなど最後まで悲劇的な展開にしなかったのも好感が持てた。
オープニングも音楽と映像が非常にマッチして好感触。
役者としてはフィンチ役クリスチャン・スレーターやテス役ポーシャ・デ・ロッシも演技は良かったが、個人的にはフィンチの話を聞いているうちに情が移り最後にはフィンチを助けてしまう殺し屋のジムを演じたティム・アレンが実に素晴らしかった。
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