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[コメント] ハンガー(1983/英)

華麗なる恋愛詐欺、その顛末は?…耽美な舞台設定のなかで繰り広げられる、意外とドロドロした人間模様。
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







カトリーヌ・ドヌーブは自分の生きてきた何千年ものあいだ、ずっと同じ手口で恋の相手をだまくらかしてきた。いわく、「あなたに永遠の若さをあげましょう、その代わりあなたは私と永遠に愛し合うのよ」。デビッド・ボウイもそんな手にだまされて、文字通り骨までしゃぶられた一人である。もっとも、ドヌーブとボウイはそこにいるだけで浪漫の香りプンプンだから、言わば「滅びの美学」を体現するように、ボウイは老いて、鳩の群れ集う「ドヌーブ被害者友の会」のカンオケの部屋に眠ることができた。

だが、次にドヌーブが相手に選んだのは、事もあろうにキャリアウーマンばりばりのスーザン・サランドンである。選んだ理由も動物の延命について興味深い研究を発表した、それだけであった。ドヌーブの耽美な館においてサランドンは明らかに場違いで野暮な存在である。結局、サランドンはドヌーブを裏切り、ゾンビ化したボウイはじめ被害者友の会のみなさんによって、ドヌーブはとどめを刺されることになる。

ドヌーブ、ちょっとヤケになっていたのだろうか?ドヌーブとサランドンのベッドシーンはちっともロマンティックじゃなかった。およそ水と油のようなふたりなんだもの…友の会の皆さんが「これは許せん!」と一斉蜂起したワケも判ろうというものだ。

恋人はよく考えて選びましょう、がこのお話の教訓。

(評価:★3)

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