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[コメント] メーベルの多忙の一日(1914/米)

メーベルの体を張ったアクションの頑張りは認められるもディレクションの限界が際立ってBAD
junojuna

 一見してヘンリー・レアマンの作品かと思えるくらい作為の見えない記録映像は、メーベル・ノーマンドのディレクションの技量が丸見えで憚らずお粗末な作品である。チャップリンの帽子を使った器用な芸当や、メーベルも含む乱闘寸前のアクションワークは元気があってその頑張りは認めたいが、作品としてしつらえるのにメーベル主役ではやはり限界がある。まあこれもキーストン社のプログラム・ピクチャーである以上仕方がないが、メーベルがこの時期をもってして幕を引くのもしょうがないという帰結である。話は変わるが、この時期に映画の被写体となることが多い自動車競走であるが、本作が製作された前年、自動車の大量生産によってその名を世界に轟かせることとなったフォード社の鼻息の荒さが伺えて興味深い。20世紀初頭の先進メディアと先進企業のタイアップによるプロダクト・プレイスメントの先駆は歴史的な資料としても意味がある。しかし、そうした作品はなぜか軒並み面白くない。

(評価:★2)

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