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[コメント] 両夫婦(1914/米)

チャップリンとロスコー・アーバックルのダブル主演と云っていいぐらい、2人ががっちり四つに組んだ一編。まずは、チャップリン、続いてアーバックルと個別に登場はするが、ラストは2人のツーショットで閉じる。
ゑぎ

 ロケーションは、街の路上から始まり、前半はずっとホテルの中。ホテル内は1階ロビー(左にフロントがあり奥に階段が見える)、2階の廊下、廊下を正面に見て左右の客室−右側は、チャップリンとその妻−お馴染みの恐妻−フィリス・アレンの部屋、左側が、アーバックルとその妻−美人枠で起用されることの多いミンタ・ダーフィの部屋。ちなみに、このホテルの装置は『とんだ災難/雨の御難』と同じセットと思われる。後半は、再度路上を挟んで、カフェ・クラブの場面があり、これもお馴染みの、池のある公園で収束する。

 これらの場面を全て固定のフルショット(もしくは近いロングショット)で撮って繋いでいる。前作『チャップリンの独身』のような構図やカッティングのバリエーションはなく、人物の移動など被写体に合わせた空間の転換を次々に見せていく。特に、前半のホテルのシーケンスは、上の段落で記した部屋や廊下を、定点的な画面で繋いでいるのだが、そのリズムには特有の面白みがあるけれど、私の現在の感覚だと、ポン寄りや切り返しがあれば、もっと面白くなるのに、と感じるところもある。

 尚、チャップリンとアーバックルの酔っ払い芸(その中でのチャップリンの身体能力)をじっくり堪能することができるという部分で、本作を高評価するムキもあろうかと思う。フィリス・アレンとミンタ・ダーフィの、妻同士の喧嘩から結託への移行のディレクションも見応えがあるだろう(かなりオーバーアクトだが、それはコメディとしてのオーバーアクトだろう)。ラストのシュールなオチもキャッチする。ただし、これは『多忙な一日』のラストの焼き直しのようなものであり、ブラックなチャップリンのエンディングパターンの一つとも云えよう。

#ホテルのベルボーイはアル・セント・ジョン。次作『新米雑役夫』でも同じ役。

(評価:★2)

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