[コメント] トワイライトゾーン 超次元の体験(1983/米)
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1959年から1965年にかけて放映された昔懐かしの人気シリーズ(邦題は『ミステリー・ゾーン』)を観て育った監督達が一堂に会して作り上げたオムニバス作品。特にスピルバーグはいたくこの作品を気に入っていたらしく、その中心となって呼びかけを行い、更にその後自身の立ち上げによって『世にも不思議なアメージング・ストーリー』(1986)を作り上げている。
こういったオムニバス作品というのは個々の作品で監督の個性が出るから楽しい。特に本作の場合、要するに“怪奇現象であれば何でも良い”というコンセプトだから、作りたいように作っているのが大変心地よい。
1話目は極めてブラックなジョークを得意とするランディス監督らしいブラックユーモアに仕上がってるし(って言うか、時代によってはシャレのレベルを逸脱してるような気もするが)、2作目は、これまでSF監督という烙印を押され続けていた(いや、これもSFには違いないけど)スピルバーグの意地が見えてるようだ。3話目のダンテ監督も、らしいと言えばらしいな。翌年の製作となる『グレムリン』(1984)の片鱗が窺える…これもシャレになってないため、あんまり笑える作品じゃないのがちょっと残念。しかし、本作で一番力が入っていて、この短い時間と限定された空間でミラー監督の力量を発揮したのが第4話。純粋なホラー映画に近いものを、緊張感を絡めて巧く描いていた。プロローグがエピローグへとつながっていくのもなかなか味わい深い。
ただ、一言言いたくなるのは、オリジナル・シリーズの持っていた、それぞれ趣向を凝らして、最後に「あっ」と言わせようとしていた部分が感じられなかったのはちょっとだけマイナス。
気楽に観るにはちょっとばかり重いものが多いけど、楽しめるのは確か。
ところでスピルバーグ監督は確かに一流監督だが、“呪いの監督”というありがたくない風評もいただいている。何故か監督の関わった映画では、そのキャストがよく死んでしまうと言うのだ。例を挙げると、『ジョーズ』(1975)のロバート=ショウ、『1941』(1979)のジョン=ベルーシ、『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』(1989)のリヴァー=フェニックス、『オールウェイズ』(1989)のオードリー=ヘップバーンなどなど。『ポルターガイスト』(1982)に至ってはドミニク=ダン、ジュリアン=ベック、ヘザー=オルーク、ウィル=サンプソンの四人が亡くなってる。本作でも第1話目の撮影中にヘリコプターが墜落し、主演のヴィク=モローが死んでしまうと言うハプニングに見舞われている。勿論言いがかりなんだが…こりゃ言い過ぎたか?
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