[コメント] 日本暗殺秘録(1969/日)
別に暗殺者なりたい訳じゃない。でも物陰に潜み、興奮したり精神統一したりしてたに違いないその心性に憧憬する心性なら─。
任侠映画真盛期だからこそ、なのだろうか。「殴り込み」という図式的な大量殺戮を積み重ねてきた東映の映画作家らが、贖罪のように実際の暗殺事件を並べて描いた。否、解放されたのは、映画を観て興奮した私たちの精神性なのかもしれない─なんちって。本作を劇場で観られた幸運に感謝。ありがとう、備中の映画館。
2・26事件の首魁は皆、銃殺される際に「天皇陛下万歳」と叫んだが、一人だけは「秩父宮殿下万歳!」を唱えたと言われる。そんな伝承をもそのまま形にした、歴史の貴重な証言集のような作品。脚本・笠原和夫ならずとも言いたい「天下の珍品」。
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