[コメント] ラーゼフォン 多元変奏曲(2003/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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詰まるところ、これは『エヴァンゲリオン』を再び80年代の価値観で再解釈して作ってみたって事になるだろう。小難しく考えるため、ストーリーは訳が分からなくなりがちで、しかも富野作品の洗礼をたっぷり受けてるもんだから、恋人を自分の手で殺すとか、無辜の人が救いようもなく残酷に殺されるとか…もうそのまんまじゃないかよ。
ラーゼフォンのデザインに関しても、デザインが神像っぽく(つまり顔を付けて)、ガンダムのようにトリロコールカラーを用いて、最後は主人公が同化する…70年代のアニメと『ガンダム』や『マクロス』を始めとする80年代のアニメ、そして『エヴァンゲリオン』に代表される90年代のアニメ。全てを取り込んで、凄いオリジナリティが溢れていながら、全く逆にオリジナリティが感じられないデザインに…
様々な作品にインスパイアされて作ったと言うのは分かるんだけど、元ネタを消化せぬまま出してしまってるため、パクリとまでは言えなくとも、ごった煮っぽい作品になってしまってる。
ストーリーだって、要は無理矢理ロボットに乗せられてしまった普通の(と自分では思ってる)少年が、戦いに悩みながら徐々に力の使い方を覚え、様々な人間との交流を深めながら成長したり退化したり(?)していくってパターンで、全編に渡って悩みまくってるだけ。悩みの合間に戦いがあるから、爽快感もない。それに意味があるの無いのか分からない無茶苦茶細かい設定が全編に渡って展開する。最後は自分の使命を悟って…ってパターンもありがち。
肝心の物語について全然書いてなかったけど(笑)、ちょっと気になるところを。
ラスト。綾人は消え去ってしまうのだが、その際、恋人の綾に改竄された「思い出」をプレゼントする。最後までその思い出を綾は大切にしました。で終わるわけだが、偽の記憶を肯定的に捉えるって、これだけは凄いオリジナリティだな。ただし、すげえネガティヴな意味で(敢えて言うなら、『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(1984)のあたるが最後にラムではなく無邪鬼の言うことを聞いたようなもんだろ?)。
いや、こう言うのは正直好みなんだ。だけど、だからこそ、そんなものを作ってしまった事を否定したい。この辺が非常に複雑な気持ちだ。
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