[コメント] CUBE2(2002/カナダ)
極限モノとしては人物描写がアホ揃いでダメダメだったり、SFとしてはアイディアを散りばめただけで根幹が皆無だし、そんなこんなの何でもありでスリルは生まれないし・・・文句の付け所は色々あるが、それ以前に、この映画は『CUBE』をまるで理解していない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
前作『CUBE』に演出・脚本共々劣っているのは明白だが、それでも、それなりに見れるレベルにはなっていたと思う。しかし、冒涜に等しい黒幕作りが許し難い。
前作で1番印象に残ったのが「CUBE」の事を「巨大な公共事業」なのだと語る台詞。誰も全体を把握していない、目的も分からない巨大構造物が何処とも知られずに建っているという何とも言えない不気味さが頭から離れなかった。ところが、この続編でその設定は微塵も生かされず、最終的には、某全米人気TVシリーズ風の安っぽい軍事基地で安っぽい結末を迎える。これにはかなりガッカリした。1作目は「CUBE」内部のみの描写に徹する事で(予算の都合もあるだろうけど)、想像と恐怖が掻き立てられ、途方も無いスケールを感じさせていたのだが・・・。
また、4次元空間だの平行現実だのとSF色濃くなる事を否定する気は無いのだが、これではただの「何でもあり」のSFだ。個々のアイディアとしてはなかなか面白い部分もあるのだけれど、作品全体としてはひたすら散漫の限りで、特に終盤の畳み掛けは完全に空振りの嵐。初監督作で色々楽しみたかったのだろうが、その意欲はシンプルさを武器にしていた『CUBE』の性質と全く合致せぬままに終わっているとしか言えない。駄作である。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。