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[コメント] 巨大アメーバの惑星(1960/米)

済みません。魅力的な怪獣の数々を紹介しようと、ノッて書いてたら、あらすじになってしまいました…だって怪獣を見せることだけが本作の魅力なんだから。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 B級SF作品の監督や脚本(後に小説家に転向)を手がけるメルキオール監督のデビュー作。製作期間は僅かに10日と言う極端な早撮りで作られた作品ながら、実に魅力的なSF作品に仕上がっている(特に怪獣好きな人間にはつとに有名)。

 物語の構成はエンカウント→逃げる→エンカウント→…と言う、次々と現れるモンスターにどう対処するか。と言う古典的且つ、アニメ的な演出だが、結構これが心地良い。ストーリーは二の次で、怪獣をどう演出するかに特化してる点が大変よろしい。

 最初に登場するのが食肉植物。触手を揺らめかせながら登場人物を絡め取り、本体に引き寄せてくる。ただ、引き寄せられたからすぐに食われるのか、と言うとさにあらずで、捕まったキャラクターは叫んで暴れるだけ。こいつは超音波銃で撃退。

 次はいよいよお待ちかねのコーモリグモ。最初立木だと思って枝を切ったらいきなり暴れ出す。なんと身の丈40フィート…って、12メートル?そんなに小さかった?だったら上見りゃすぐに分かっただろうに。気付けよ!こいつも例の超音波銃をばしばし撃ち込んだら、目を潰されて退場(しかし文字通りコウモリとクモを合わせたようなこのデザインは今見ても素晴らしい)。

 そこで帰ろうとするが、特殊な力場が宇宙船の周りに張られていて帰還を果たせず。

 その後、性懲りもなくまたまた探検に出かけると、そこには湖があり、ゴムボートを出してえっちらえっちら漕いでいくと、そこには何と超近代的な都市が!…火星に水あったりそんな都市を今までどうして見つけられなかった?とか、どう見ても立体感のない書き割りの都市だとかは言ってはいけない。そして湖を割って登場する表題の巨大アメーバ。肉まんみたいなのの上に一つ目がぎょろぎょろ回る奴で、大急ぎで逃げる隊員を取り込んでしまい、更にロケットにまとわりつく。こいつは宇宙船に電流を流すことで撃退…宇宙船の周りに電流を流すって、凄い用意が良いよな。

 そしてついに姿を表した目を三つ持つ火星人の声が響く。「地球人は戦争ばかりしてる好戦的な種族だから、もう火星には来るな」と言う…だったら最初っから言ってれば良かったんじゃないか?

 …言わば、アラしかない作品なんだけど、だからこそ魅力がある作品というのも確かにあるんだ。改めてそれを感じさせられた。

 ただ一つ文句を言わせてもらうと、舞台が火星だから、赤いフィルターをかけて撮影してるので、全部観終える頃には目が無茶苦茶疲れると言うところか。本作をご覧になる方がおられたら、充分注意されたし。

(評価:★3)

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