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[コメント] 兵隊やくざ脱獄(1966/日)

森監督らしく、きっちりエンターテインメントに仕上げてくるのが流石だ。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 勝新太郎、田村高廣コンビの第4作。物語はいつもの如く、前回の脱走失敗から始まって最前線送りになる二人という構図は全く変わらず。第三者を登場させ、その人物が殺された理由を探って上官をたたきのめすというのもオリジナル版である田中徳三監督の『続兵隊やくざ』(1965)とほぼストーリーラインは同じ。ただ、監督が違っているために個性が異なり、森監督らしさが良く表れた話になってる。

 森監督の個性というのは、キャラ立てにある。ストーリーがめちゃくちゃでも主人公をとにかく際立たせて描くことと、矢継ぎ早にアクションシーンを入れて怒濤の展開に巻き込んでいくこと。この作品でもそれをメインに、見応えのある話に仕上げられてはいる。友情に重きを置いた脚本も良い具合。

 ただ、プログラムピクチャーとして割り切った分、元々本作が持っていた反戦的、自由を求めるという基本構図から外れてしまってるのかな?

(評価:★3)

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