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[コメント] 告訴せず(1975/日)

帰ってきたヨッパライ』で大島渚が挑戦したキャスティングを青島幸雄で実現しようとした作品なんでしょうね。
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この映画の青島幸雄は予想以上に素晴らしかったと思います。素人的でもなく、感情がすぐれて強いわけでもなく。淡々とこのドラマの主人公を演じていますね。見事だったと思います。

この映画の面白みは政治資金のあり方と、小豆などの相場勝負の世界、そしてその裏にひしめく欲望と策略。そんな関係がラストのどんでん返しまでずっと展開するんですね。

気候に左右される相場の世界。あまり映画になりにくい世界ですが、見事に表現されていました。

映像は平凡ですが、時折見せる小さなシーンに堀川弘通監督が黒澤明監督の助監督だったことを示すシーンがありました。

旅館の窓の向こうの夕日のシーンなどは、とても丁寧に撮れていたと思います。

この映画の前に『いつか読書する日』という映画を見たのですが、やはり最後が水死体で見つかるシーンでした。

比較的ポップで明るい内容なのですが、最後の最後に主人公が転落するシーンを見せるあたりが松本清張さんらしい終わり方ですね。

映画としてはB級ものでした。

2010/05/02 自宅

(評価:★2)

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