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[コメント] 11′09″01 セプテンバー11(2002/英=仏=ボスニア・ヘルツェゴビナ=エジプト=イスラエル=メキシコ=日=米)

全体的に覆うのは、「バベルの塔」崩壊を冷静に受け止める冷めた目線。オムニバスの順番構成も上手く考えている、と思っていたら締めの今村作品はなんだんねん!?
AONI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







1.サミラ・マフマルバフ:ドキュメンタリー風の演出にも関わらず、子供達の台詞にやらせっぽさを感じてしまった。深い井戸に始まり、高い煙突で終わる映像はなんか意味深で良。★2

2.クロード・ルルーシュ:ピアノ音を感じ取るために、ピアノ本体に顔を当てて振動を感じ取る聾唖のヒロイン。彼女の息詰まる孤独を痛烈に伝える狭い限定空間。無音世界を表現する不快で重たい音響が秀逸。★3

3.ユーセフ・シャヒーン:亡霊(過去)と語り合う現在&未来。★3

4.ダニス・タノビッチ:非日常の中に生き続ける日常的行事。空爆やテロに慣れた国ならではのタフさ。やはり女性はたくましい!!★3

5.イドリッサ・ウェドラオゴ:ビン・ ラディンって、世界中の子供達にも顔と名が知れ渡る有名人になったんだな、と今更ながら感心。それにしても、性能良さそうなハンディカメラ持ってやがる。★4

6.ケン・ローチ:南米におけるアメリカ帝国主義の影。『ミッシング』等で何度も繰り返し告発されてきたネタだが、こういう正攻法の作風は好き。しかも11分間で上手くまとめている。そろそろ音楽が聴きたい六話目で、悲しくも甘い歌が挿入されるのも良い。★4

7.アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ:ニュース映画として見たら、確かにスタイリッシュで上手い。ある意味確信犯。中盤である7話目に、テロ事件自体について振り返って見るのもいい。★3

8.アモス・ギタイ:こういう作品に演出がどうだとか指摘するのも憚れるが、あまりに芸の無い11分間長回し。警官や女性キャスターも、ハリウッド映画に出てきそうな典型的役柄&演技で閉口。★2

9.ミラ・ナイール:ここでまた、テロと直接的繋がりのある話が挿入される。アメリカ国内において偏見に苦しむイスラム教徒。世界大戦時の日系人の扱いを想起させる。★3

10.ショーン・ペン:E・ボーグナイン爺様を延々11分間も堪能できるなんて!!というか、S・ペンはボーグナインで一回撮ってみたかっただけに思われる。久々に画面いっぱいにその巨体を揺らすボーグナイン。年老いて、さらに太っていないか? 2話目同様、狭い限定空間が登場人物の孤独感をより伝える。★3

11.今村昌平:『バーディー』ならぬ『スネーキー』といったところか。自分が監督だったら、やはり戦時中の日本兵を題材に描くだろうと考えた。その着眼点においては今村爺様と一致。そこからの話の膨らまし方が想像を絶する。若い麻生久美子をモノにしている我らが丹波爺サマの絶倫ぶりにも注目!!★3

平均したら、見事に3点。

(評価:★3)

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