[コメント] 大坂城物語(1961/日)
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特撮に円谷英二が参加し、大規模な大坂城のミニチュアセットを組んだ、というのは知識として知っていた。実際に鑑賞して驚いたが、相当デカい!メインタイトルの背景として延々と映し出してしまうあたりに東宝の自身が伺える。しかしミニチュアを組むだけなら、どこの映画会社でも優秀な美術スタッフがいれば出来るもので別段珍しくは無いが、特撮円谷組は本編中様々な場面でその腕を振るっている。
オープニングにいきなり登場する大仏開眼式の場面では、大仏のミニチュアがカメラアングルに合わせて移動マスクを切るという大胆合成で登場する。コンピューター制御のカメラ等が無かった頃に、撮影技師のカンだけで作り上げたこのシーンに初っ端から驚く。その後も行軍する兵士達の手前に大坂城が映ったり、燃え上がる大坂市街と進撃する兵士達を合成したりと、いろいろと特撮が活用されている。大坂城のミニチュアも一斉射撃で煙がバババババッと立ったり、砲撃で所々が損壊するなどやたら細かい。ミニチュアをこしらえただけで「特技監督」などとクレジットされるわけがなかったのだ。
話のあらすじはかなりの波乱万丈で、次から次へと活劇シーンが飛び出す展開。姫の奪還や外国船との密貿易、そしてクライマックスに冬の陣とてんこ盛りである。とはいえ大坂城物語と聴いて豊臣家滅亡の一大ドラマを期待した人にとっては、思わず首を傾げてしまいそうな内容ではある。最後も話は冬の陣の時点で和議が結ばれ、全ての仕事をやり終えた三船敏郎は仕官の道を断り、いつしか良い仲になっていた香川京子と共に故郷に帰る道を選ぶ……という風に終わる為、てっきり大坂城が落城してミニチュアが派手に燃えるという場面があると思っていた自分にとっては肩透かしを食らってしまった。まあ、決して悪い結末ではないと思うが。
荷馬車の疾走、大規模なオープンセット、エキストラを大量動員したモブシーン、そしてあらすじ等を観ても、時代劇というよりは当時海外で流行りの歴史スペクタクルを十二分に意識しているのだろう。その割にはイマイチ知名度が低く、日本製の歴史スペクタクルとしてもう少し注目されてもいいのだが、案外時代劇とも違い特撮映画でもないというポジションにその原因があるのかもしれない。もっともそういう扱いをしてきたのは自分達映画ファンではあるが……。
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