[コメント] レザボア・ドッグス(1992/米)
時系列に並べればたぶん退屈でしかない話を、バラして配列し直すことでこれだけ面白くなる。あるシーンを観ていて感じたちょっとした疑問や違和感が、時間軸を入れ替えることで伏線となり、後から明らかになる「過去」によって回収される。
今となってはありきたりな手法になってしまったが、これも一つの発明。
”Like a Virgin”は何についての歌だとか、チップを払え払わないだとか、くだらない会話を延々見せられるオープニング。ここでは8人の男が円卓を囲んでいて座る並びも順不同のため、それぞれの関係性が観客にはわからない。これがあってその後の展開があるから意外性を楽しめる。
そのオープニングからタイトルバックを挟んでいきなり車内のシーンに飛ぶ時間軸ずらしならぬ時間軸飛ばしによってインパクトを増すのも妙味。
それにしても、この映画のマイケル・マドセンの凶悪ぶりは、初見から20年以上経っても記憶に残っていた強烈さ。ラジオから流れる陽気な曲に乗ってアレをやるからまた恐ろしい。
お互いを色で呼び合うのは『サブウェイ・パニック』に倣っているが、スティーヴ・ブシェーミがピンクなのがまた気が利いている。
ブシェーミはとにかくよく喋る。ハーヴェイ・カイテルも負けずに喋る。
ティム・ロスが「便所の話」を暗記させられる件りで、サミュエル・L・ジャクソンがディテールまで徹底的に覚え込むことを要求するが、この映画もまたディテールを徹底的に描き込むことにこだわる。というか、ディテールしか描いていない。そのこだわりこそが与太話を傑作に変える。
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