[コメント] おばあちゃんの家(2002/韓国)
映画を見終った人むけのレビューです。
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母親の仕事探しの間、田舎にいる母方のおばあちゃんの家に預けられる少年の映画。
話自体は単純に田舎に来た少年とおばあちゃんの交流を描いた感じで、ストーリー展開やラストの展開自体は大体予想がつく。
ただ映画予告編や前評判のような感動要素を期待するとちょっと裏切られるかも。主人公の少年サンウは確かにおばあちゃんに親切な面を見せるのだが、それと交互におばあちゃんに意地悪もするので感情移入しにくく、親切なことをしてもまた意地悪するだろうという先入観を抱いてしまう。
ただ、この映画の根底にあるメッセージとして、便利な都会の社会が子供に与える影響を田舎に来たことで教えているところに興味深いものがあった。特に遊び道具で携帯ゲームを持ってくるし、食べ物にしてもわざわざ缶詰を持参しおばあちゃんと同じ物を食べようしない。おばあちゃんに食べたいものを聞かれた時でさえ、ケンタッキー・フライドチキンがいいとねだり、違ったものが出てくると本気ですねるなど最近の映画にしては珍しくここまで都会の影響を受けた子供の姿を描いた映画も珍しい。サンウがゲームの電池が切れて、家中を探してもなく、おばあちゃんのかんざしを持ち出してわざわざ店まで電池を買いに行くところはなかなか面白かった。
この映画での感動ポイントはおばあちゃんに対するサンウの親切より、サンウに色々意地悪されているのにサンウに優しくするおばあちゃんにあると思う。特にラストで自分の野菜を売って稼いだお金をサンウのゲームと一緒に持たせておくところはなかなか感動的。
役者の演技としてはサンウ役ユ・スンホはおばあちゃんなどに対する意地悪をやるときの顔つきが地ではないのかというぐらいリアルで演技はうまいのだが、子供ゆえの純粋さを考慮してもあまり魅力的なキャラにはならなかった。
総評としては、主人公の少年よりもおばあちゃんの視点で描いた方がもっといい話なったと思う映画。
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