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[コメント] ブラック・ライダー(1972/米)

シドニー・ポワチエの第一回監督作は西部劇なのだ。モノクロの黒人男性達の写真に字幕が出る。その写真が動き出し、向こうからポワチエが乗馬で走って来る。なかなか良く出来ている。後半まで良いカットが多数ある。
ゑぎ

 ポワチエは、黒人たちの幌馬車隊のガイド。自作自演で寡黙なヒーローを造型しているが、対比するように、ハリー・ベラフォンテがノリノリの巡回牧師として登場し、中盤以降は彼がポワチエ以上に目立ってくる。特に娼館のシーンでのスピーチのテンションは大したものだ。

 キャメロン・ミッチェルが悪役。ミッチェルとポワチエ達との対決がクライマックスだろうと思って見ていると、その後も結構尺がある。これも変わっている。このあたりは、若干構成に難があるようにも思う。

 ラスト近く、追跡側との位置関係を大俯瞰で見せる、平原を走る騎馬のカットは見事なもので、さらにラストは岩山の西部劇になる。またインディアンの立場と尊厳も織り込まれており、その見せ方もよく考えられている。

 あと、ポワチエの女(妻?)を演じているルビー・ディーが可愛い。製作当時40代後半か。調べるとポワチエよりも5歳上だが、もっと若く見える。1950年の『復讐鬼』では、ポワチエの姉(義姉?)役で出ていた。

 また、ハーモニカ主体の劇伴が面白い。これが、ジャズ・サックス奏者として有名なベニー・カーターだ。

(評価:★3)

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