小派のやくざ組織同士の小競合いから、やがて代理戦争に発展し、最終的には末端に生きる者達に皺寄せがゆく非情な組織の構図。後の実録やくざ路線で良くみかける構図が本作に登場する。しかしながら実録路線ほどのリアリズムに徹しているわけでもなく、無国籍ギャング映画や仁侠映画等、様々な要素が入り混じった東映過渡期の異色犯罪アクション。

組織犯罪撲滅に並行して拳銃密輸事件を描いているところに、『フレンチ・コネクション』に通じる面白さもある。とことんタフで男気溢れるタンバリン達Ｇメンに比べて、暴力団達がさほど怖そうに見えないのが難点。テーマ音楽も異常に軽快すぎて作品に合わない。

千葉ちゃんが血気盛んなチンピラ演技を披露。地獄拳の使い手である千葉ちゃんがボコボコに殴られる時代があったなんて！！暗黒社会の黒幕として登場するのは、時代劇の名優月形龍之介。無愛想で淡々とした演技で不気味な存在感を放っていた。