[コメント] SF最後の巨人(1975/米)
ユル・ブリンナー主演の終末もの。ブリンナーは異様に不自然な登場の仕方をし、マックス・フォン・シドーをリーダとする一見民主的な人々の用心棒となる。敵対している暴れ者達のボスはウィリアム・スミスという役者でこの人もなかなかいい。
ブリンナーは一応ヒーローかも知れないが、得体の知れない不気味な殺人マシーンだし、シドー達も実のところは自己中心的な人々で結局真の善人は誰もいない。ただ、シドーの娘を演じるジョアンナ・マイルズが活劇のパターンである「戦場の妊婦」のシチュエーションを踏襲する純真なキャラクターだ。殆ど全編に亘って限られた地区とその地下トンネルから続く地下鉄の跡が舞台となり、いずれ出現するであろう開放感を観客も希求するが、陰鬱なイメージが横溢する。これはこれで痛々しい。というか、終末の世界の表現が都市の無人の光景を写したスチル写真で処理されるだけというチープさが余計に殺伐とする。
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