[コメント] ブルース・オールマイティ(2003/米)
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スティーヴン・カレルにヤラれた。この男、タダ者では無い。
ブルース(ジム・キャリー)の悪魔の魔法で、真面目なニュースキャスター・絵ヴァン(スティーヴン・カレル)が壊れていくシーンは爆笑だった。この男の顔ワザは凄い。ちょっとミスター・ビーンが入っているような気もするが、この男、タダ者ではない。ひょっとすると、コメディアンとしての腕はジム・キャリー以上かもしれない。
エンドロールの間に差し込まれたNG集で、相方の女性キャスターが思わず吹き出してしまうシーンが最高に笑えた。あそこまで壊れられたら、笑わずにいるのはちょっとツラい。
それにひきかえ、本作のジム・キャリーはちょっと地味だった。喋りで笑わせてくれるシーンは少なく、いつもの七変化もちょっとインパクトに欠けた(というより、自分の方がジムに慣れてしまったのかもしれない。)。
シナリオも酷い。笑わせるシーンは良いとしても、感動作にはなりきれていない。まず、ブルースの前に神が表れたのか理由がはっきりしないし、何のためにブルースだけを助けたのかも説明が無い(人を笑わせる能力を持ってるから? そんな人、五万といるし。)。ブルースも、色々な苦難を味わって一見可哀相に見えるものの、良く考えてみれば、全て自業自得というやつで、全く同情の余地が無い。
だいたい食える仕事があって、あんなに美人で優しくて情に厚い恋人がいて、さらに目立てる仕事が欲しいだなんて、図々しいにもほどがある。恋人を取り戻したラストでは、”全ての人に奇跡を!”なんて人類愛染みたことを言っていたが、結局のところ、何となく上辺だけの偽善にごまかされたような気がしてならない。
本当に人の痛みを知るのなら、それこそ望んでもいないのに、戦火にまみれている子供や、飢えで野たれ死にそうになっている人、原因不明の難病に苦しんでいる人などの痛みを理解するシーンが必要だ。
そういう意味で、全体的には☆2程度の映画だったが、キャストが良かったのと、掘り出し物、スティーヴン・カレルの顔変化に+1で、☆3の評価。
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