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[コメント] 八仙飯店之人肉饅頭(1992/香港)

物語というより事件の再現ビデオといった感じ。全編に渡る狂気の沙汰は見ごたえがあり、退屈する暇の無い展開。080119
しど

この作品の見所は、全てにおいて狂気じみている点だろう。人肉を食わせる犯人は当然として、容疑者をボコボコに殴ったり、被害者の縁者のいる刑務所に入れてリンチさせたり、常に遊んでるようにしか見えないマカオ警官達もあわせて、無理無理だらけで道理がまるで感じられない。

さらに、それを補うように、俳優人の演技がまたいい。もう「アレ」そのままな犯人役はもちろん、他のコメディ映画と変わらないノー天気警官達も、この作品の救いようの無さを強調する。

低予算で作ったのか、フィルム映像の安っぽさが、さらにリアルな恐怖感を引き立てている。この点では、『悪魔のいけにえ』と同じタイプ。

実際に見るまでは、陳腐なドラマ展開でのグロを想像していたのだけど、この作品、ドラマ的な要素はほとんど無い。ただ淡々と犯罪が行われ犯人が捕まり、拷問され、結末を迎える中、グログロ描写がほどよく織り込まれる。道徳や倫理を説いたりなんてのは一切なく、「ただ面白いから」といったグログロ展開。

それでも、殺害のシーンなど、そのものずばりなグロ映像は意外と少なく、直前や直後、さらには刻まれた肉のパーツなどを組み合わせた編集によって、精神的に嫌悪感をもたらすような上手さが垣間見れる。

怖い物見たさの珍味感覚で見るには、退屈もしないし、大満足な作品。

(評価:★3)

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