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[コメント] ハバナの男(1959/英)

相変わらずキャロル・リードの斜め構図。だが斜め構図もこういうコメディ・タッチの題材だと思いの外鼻につかない。ふざけた題材だが演出と撮影は冒頭から凝りに凝っている。アバンタイトルの演出も筋書きに何ら関係の無いものだがいい雰囲気で私は大好き。
ゑぎ

 また配役も良く、主人公のアレック・ギネスのみならず、ノエル・カワードラルフ・リチャードソンといった英国の重鎮達が飄々としたとぼけた味を出す。中でもカワードの出入りのコントロールは面白いと思う。そこにハリウッドからバール・アイヴスモーリン・オハラが絡み、ミスキャストを思わせるが、しかし私がモーリン・オハラのファンだからかも知れないが、もともと彼女はボケたキャラなのでこのふざけた題材にも案外マッチしていると思うのだ。オハラがスパイであったり、アレック・ギネスとカップルになる、という点については違和感があるのだが。

 そしてもう一人、警察署長役でアーニー・コヴァックスという人が活躍するのだが、この人もよく描けている。アバンタイルの意味不明な屋上プールのカットから登場しており、本作の裏面の主人公と云ってもいい。全体にゆるゆるな映画で傑作とも佳作とも云えない出来ではあるのだが、私はキャロル・リードの中でも好感を持つ。

(評価:★3)

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