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[コメント] ファンタズム(1979/米)

構成が支離滅裂だとか何を言いたいのかわからないとか「意味がわからない」んじゃなくて、「なんだかわからない」のだ。
おーい粗茶

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







トールマンの行動、ドワーフの作られるわけ、襲ってくるシルバースフィア。すべて意図も動機も明確に語られるわけで。なのに、その「シルバースフィア」っていったい何なのよ? っていう。結界の入り口の二本の棒って何? みたいな。

で、その正体をむしろ説明されたくないっていうあたりにこの作品のポイントがあると思う。強いて言えば、大林宣彦の『HOUSE』とか(<そういえば「ファンタ」ってあだ名の娘が登場する)、吾妻ひでおの不条理SFとかに近い不条理ファンタジーなんだと思う。

その割には筋が明瞭で、「今この作品は何を言ってるんだろう?」のように、観客が頭を悩ますようなことがない。だから大人はこの作品の論旨の明快さを持って、割りにあっさり切り捨てられるんでしょう。大人はそうやって不条理に対処してしまう。みなさんのコメントで、幼少期に見て怖かった、という意見が多いので納得がいくのだ。

私は理屈っぽい人間なので、不条理ものってあんまり惹かれるほうじゃなく、ちょっと点数は低いのですが、兄弟の絆の物語として好きです。全編を通じてのお兄さんの弟に対する優しさ。兄弟力を合わせて相手を倒した、あの時の兄のガッツポーズ。結局はこれが弟くんの兄への思慕という話であったという点が悲しくも素敵で好きです。

(評価:★3)

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