[コメント] 二十歳の死(1991/仏)
短編でありながら描かれる感情の繊細な描写と詩的な余韻が見事。派手さは無いが上質な小説のように胸の中にいつまでも残り続ける。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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哀しい状況にありながらも無関係に澄んだ冷たい空気の様子が映像から伝わり、瑞々しさにハッとさせられる。生死の境にある青年を軸に(青年自体が登場しないのも巧い)彼の周囲の人々のそれぞれの感情の描写が卓越している。眠れずに迎える夜明けや芝生のグリーンが言葉に出来ない、やるせなさ、哀しみ、憤りを感覚的に表していて、その表現力の鮮やかさに素直に魅かれ感銘を受ける。設定に対し演技にも演出にも脚本にも無理が無く自然に描かれているから、観ている者たちは何の抵抗もなくその状況を理解し、共鳴を見いだすことが出来る。簡単なようで誰もが出来ないことをサラリとこの作品でデプレシャンはやってのけて魅せている。
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