コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 安珍と清姫(1960/日)

若尾文子が出ているので何の予備知識もなくみたら、なんというトンデモ映画!
ぱーこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







若尾文子の濡れた瞳を拒んで仏にすがろうとする市川雷蔵は大バカ者である。色男金と力はなかりけり、を地でいく安珍。清姫とは名ばかり、恋の炎がその裸身を萌え尽くす。調べたらこの安珍清姫は歌舞伎舞踏の演目でもある娘道成寺伝説の古典じゃないか。

あっとおどろく展開は笑うしかない意外さだった。ほとんどイメージショットのような美しい画面。燃え盛る緑の中を赤い衣装の若尾文子。煩悩に迷う市川雷蔵の背景に赤い鳥居。いきなり出現する砂漠の中の蟹。大魔神のような雷。じゃじゃ馬姫の若尾文子が煩悩に苦しむ市川雷蔵に追いすがる。それをグーでなぐる雷蔵。よよと崩れ落ちる文子。ほんとうにお慕いしております安珍様。殴られてスイッチが入るM気質。なんという展開であろう!

古典的な女身大蛇伝説とは知らずにみていたので、最後の方の大蛇登場はその稚拙な迫力とやはりこうなるかという納得感で満足した。amazon primeから登録してしまったKADOKAWAのフィルムライブラィーでみた。1960年の作品。この市川雷蔵の時代が三船の用心棒の時代と重なる。なんという贅沢な布陣。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。