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[コメント] 黄金(1948/米)

48年とかなり古い映画だか、ストーリーそのものは古さを感じさせないリアルな作り。
わっこ

**ネタバレ注意**
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黄金に取り付かれた男の末路を描いた映画。48年とかなり古い映画だか、ストーリーそのものは古さを感じさせないリアルな作りで、黄金の魔力に取り付かれ、金のためなら人殺しも平気でするほど浅ましくなっていく男と金の魔力に取り付かれながらも、最後には平常心を取り戻す男の2つのアプローチで描かれているところが面白い。

今まで『マルタの鷹』『キー・ラーゴ』など、自分が助かるためならどんな汚い手でも使う人間の浅ましさを強調したドラマ演出が印象的だったジョン・ヒューストンだが、今回はその人間の欲深さを強調したドラマ演出が見事に花開いたといってもいいぐらい、ストーリーとマッチしている。ともかく、金を掘り当てるたびにドブスの性格が急変していく過程は観ていてなかなか恐かった。そして、その分金への欲深さゆえに起こった彼のラストにはなかなかインパクトがあった。

一方で、ドブスの相棒ボブは、ドブスを裏切ることもなく、ドブスに裏切られても、ドブスのことに関しては後腐れなく気にしてないところや、助けられて、何とか平常心を取り戻すなど、ドブスのキャラとは対象的に描かれているところも興味深い。

そして役者としても『マルタの鷹』『キー・ラーゴ』など正義感の強い、渋くてかっこいい役が多かったハンフリー・ボガートが全く逆の役どころを演じているところが印象深い。ボブ役ティム・ボルトもドブスとは全く逆をキャラを負けず劣らず存在感たっぷりに演じていた。そして、2人に金の魅力を語る老人ハワードを演じるウォルター・ヒューストンは脇役ながらも2人の活躍を喰う勢いの熱演で、黄金の魔力が織り成す三人のドラマも素晴らしかったが、この三人の演技力だけでも十分見ごたえのある映画であった。

(評価:★5)

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