[コメント] 悪魔の陽の下に(1987/仏)
悪魔の力で救うべきか、神の導きに委ねるべきか、この選択を迫られたとき貴方ならどうするか? ジェラール・ドパルデュー主演の暗く重い映画。1987年カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作品
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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悪魔の力だとしても救うのが当然である。
と、いつもの私なら迷わず言うのだがこの物語に対しては言えなかった。
この話の中の悪魔が本当に恐ろしく思えたからである。
(この悪魔、只の人間にしか見えないことで余計に惑わされた)
神父を誘惑したあの時の呪いの台詞。本当に恐かった。心の底から震え上がった。
もう最後に観てから20年以上だが、あの場面での非常に嫌な感覚は忘れられない。
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この映画は、
信仰とはこのように脆く、悪魔はこのように人を支配する。
という話なのか。。
神不在の現代社会、神はこのようにして我々の前(内)から去った。
という話なのか。。
或いは、
言葉に囚われることで本質(又は真実)を見失うことは死だ。
と言おうとしているのか。。
他にも色々受け止めることが出来た。
色々な解釈が出来るのだがそれ故に、
悪魔の力で救うべきか、神の導きに委ね見殺しにするべきか、
というこの問いの答えが私はまだ出せないままでいる。
この話の原作者ジョルジュ・ベルナノスは思想家でもあり政治的な活動(エッセイ等)をしていたような人物らしい。そうすると、もしかしたらこの話は、信仰の話、神と悪魔の対決のような神学や心の話だけなのではなく、政治的な意味も含まれているのかもしれない。
1987年カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作品
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