謎の変死事件を捜査する台湾の刑事とＦＢＩ捜査官のオカルト･サスペンス･ホラー映画｡

変死体の死因､殺人に宗教的なものが絡んでいるところや､捜査過程は『セブン』近い｡設定だけ『セブン』に変えた『ザ･リング』系の幽霊映画という印象｡

しかし､殺人事件の捜査過程は緻密でわずかな証拠から犯人の手がかりを見つける展開はなかなか見応えがある｡役者としても刑事ホアン役レオン･カーフェイとＦＢＩ捜査官ケビン役デビッド･モースの演技は息がぴったりで素晴らしい｡

ただ､犯罪サスペンス映画として見ていると､終盤でケビンを変死体にして殺してしまってから急に普通の幽霊ホラー映画っぽい展開になってしまう｡正直この映画は､始めから『セブン』ような犯罪サスペンスとして作った方が面白くなったと思う｡要所要所の中途半端な恐怖演出のせいでそれまでの面白さが半減してしまった｡

また､気になった点としては､犯人はそれまでの殺人では宗教にちなんだ証拠を残しているのに､ケビンの殺人だけはなぜ宗教をちなんだ証拠を残さなかったのかが気になる｡

警察がカルト宗教団体に対し集団逮捕に踏み切るが､当の宗教団体の方は容赦なく警察を血祭りに挙げるところは圧巻｡ラストはこの手の映画にしては救いようのあるオチで好感が持てた｡