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[コメント] 七つの顔の女(1969/日)

岩下志麻緒形拳西村晃有島一郎左とん平という5人の強盗チームによる、企業の裏金強奪譚。西村は印刷屋。有島は錠前屋。緒形は「学者」というニックネームの戦略家。岩下がリーダー。左は、「坊や」と皆から呼ばれる使いパシリだ。
ゑぎ

 タイトルの「七つの顔の女」は、岩下が七変化よろしく、デザイナー、靴磨きの少年、一日消防署長(厳密には変化じゃない)、看護婦、婦人警官などに扮するところから来ている。

 まず、上映されたフィルムがかなり劣化したもので、特にカラーの発色が殆ど残っておらず、全体に赤みを帯びたモノクロームのような画面でとても残念でした。また、監督が前田陽一なので、もう少し、お洒落な喜劇に仕上がっているかと期待していたのだが、チープな装置かつ泥臭い展開でゲンナリしながら見る。ただし、岩下志麻は綺麗に撮れている。特に、後半のパーティ場面のドレス姿は美しい。これが公開当時のカラーで見ることができていたら、となおさら残念に思ってしまう。

 あと、東京湾の人口島、海堡(かいほう)が、プロットに絡んでくる部分は、前田陽一らしさだろう。こゝで、緒形と西村が、グループサウンズの若者に会う。ザ・リンガーズ。今となっては、かなりマイナーなグループか。海堡という戦争の遺物へのこだわりと、「海ゆかば」の合唱。静かなる反戦メッセージ。このあたりも、もっとスマートに見せるべきだろう。

#もう少し脇役等を備忘で記述する。

 冒頭の刑務所のシーン。所長は三井弘次。裏金を狙われる(レナウンのような)紡績会社の常務に山田禅二。専属モデルの杉本エマ、役員秘書の有川由紀が筋にからむ。

 クライマックスは、横浜みなと祭りの日、会社の別荘での仮装パーティ。この建物の守衛に財津一郎。マジックミラーのある部屋に詰めている。

(評価:★3)

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