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[コメント] サンダーパンツ!(2002/英)

笑える。泣ける。けど腹が立つ。これが友情なのか?これは「利用」じゃないのか?胡散臭さで溢れている似非コンプレックス克服映画。 2004年1月11日劇場鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







結局オナラ(と、自らの”無能”)のコンプレックス克服してしまい、最後に「君達もコンプレックスに悩むんじゃなくて、少し機転を利かせて考えてみてよ」と言う。

だけど、コイツの才能てのは友人あっての物。でも、その友人はどうしてもコイツを利用しているだけにしか見えない。「僕は誰だ?」手前の自慢ばっかりして「僕達みたいな才能・・・」みたいな事を言っている。さて、コイツはNSSCにどうして呼び出されたのか?「オナラ」である。

この話で「君達もコンプレックスに悩まずに」と説得されてもどうも説得力に欠ける。つーかこの違和感は最初から最後まで持続するのだから恐れ入る。段々腹も立ってくる。

確かに笑える。特に「サンダーパンツ1号」の登場シーン。スプーンを上空に放り投げた瞬間は大爆笑だったし、他にも『アルマゲドン』を完全にパロったロケット搭乗シーン。音楽も映画に似合わないやけにカッコイイ音楽をう挿入している。

そして泣かせる。とにかく泣かされた。

でも、泣かされる事も、笑わされる事も大方予想はついていた。何たってイギリス映画だから。(でも、オナラシーンにもっと工夫が欲しかった。オナラで笑えたシーンが何か少なかった気がする。『ナッティプロフェッサー』のオナラシーンの衝撃は超えていないと思ふ)

これだけの演出力を兼ね備えておきながら胡散臭さが丸出し。コンプレックスを自らの長所(?)として使った瞬間から周りの態度が一変するのだって、確かにそれが現実ってもんなんだけど、やっぱり胡散臭すぎる(っていうか、一応ギャグシーンなんだろうけど笑えなかったよ)。

これだけ丁寧に作っておきながら、これだけ大笑いさせて泣かせてくれるくせに、あの天然パーマの男の子のキャラと脚本家の考え方があまりに胡散臭すぎる。要するにコンプレックス克服は「自分の力じゃ出来ない」って言いたいのか?「環境が全て」と言いたいのか?

大体この主人公二人の友情の地点で胡散臭いうそ臭いのだから、説得力なんてある訳が無い。

いっそ最後のガキの独白を丸ごと削除してしまった方がもうちっとマシな作品に見えたに違いない。

でも、笑えたし泣けたから★3は献上。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)アルシュ[*] ボイス母[*]

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