[コメント] 徳川家康(1965/日)
若君を護れなかった為に、自ら腹切り自決するお供の幼い子供達。大国に挟まれた弱小国・松平家に次々と降りかかる苦難の運命。
既に中年太りの傾向にある中村錦之助。信長を少年時代から演じるのは無理があるが、あの有名な「人生50年」の能舞など、見せ場は盛りだくさん。
北大路欣也演ずる若き松平元康(後の徳川家康)。右太衛門御大の御曹司である「東映城のプリンス」が、弱小国のプリンスを演じるってところが面白いね。
母君有馬稲子。政略結婚の犠牲となった「戦国の女」。折り鶴を巡る息子とのやり取りがいい。
父君田村高廣の過剰演技は少し暑苦しい。阪妻のソックリさん。
今川義元演じる西村晃。後の黄門役者は、本作のように白塗り貴族のような格好も良く似合うのである。
山本圭演ずる本作の木下藤吉郎(後の豊臣秀吉)は、まるでスパイのような仕事をしている。
錚々たるスターで出演しているわけだが、私的には「普通のオバちゃん」役に挑戦した東映のお姫様女優桜町弘子にMVPを授与したい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
伊藤大輔監督は徳川家康の悲運の嫡男・信康を題材にした『反逆児』も製作している。時代的には、この映画の「その後」にあたるのだが、信長と家康の関係が全く違う。両作品を観比べてみるのも一興だろう。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。