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[コメント] ルーム・サービス(1938/米)

一口で言えば、全盛期にあって異色作。マルクス兄弟の舞台的な面白さに着目して、そのまま一本の作品にするのはいいが、ちょっと解釈を間違ってしまった感じ。彼らのスキルが放たれないのは残念だ。そんな中で、食事シーンのみギャグが光る。
ナッシュ13

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パラマウントを追われてMGMと契約していたマルクス兄弟を、RKOがレンタルして製作されたという、その経緯からして異色な作品。全体的に窮屈な感が否めないのは、劇中の大半がホテルの一室で繰り広げられることが原因のひとつ。ただ、いつものマルクス兄弟作品においても部屋で繰り広げられる大騒動を描いた作品は多い。何か物足りないと感じる大きな理由は、まず小道具が少ないことである。特にハーポに当てはまるが、全くもって破天荒なギャグが存在しないのだ。すなわち、茶々を入れるチコの姿もない。小道具の延長として彼らの音楽があるが、ハープもない。ピアノもないのだ。

次に、与えられた役柄がその役柄でしかなかった、留まってしまったことにある。いつもより真っ当な人間というか、ギャグを放つにはちょっとズレた人間を演じねばならないわけだが、それがいたってノーマルだから困るのだ。

★3はオマケでもあるが、劇団の一風変わった再生という脚本が、とりあえずハッピーエンドでオチたので…。助演のフランク・アルバートソン(デイビス役)の張り切った演技が良かったのも加点の理由。そうそう、肝心の兄弟のギャグでは、唯一食事シーンは秀逸。ボーイを騙して食事にありつけ、黙々と食べる4人は素敵でした(笑)

(評価:★3)

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