[コメント] 狐のくれた赤ん坊(1971/日)
やっぱり面白いなあ。中谷一郎演じる馬方のようなキャラクターをちゃんと活かしている、というところがいいのだ。この人物がいなければこれほど面白くは見られないだろう。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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中谷一郎は一例で、質屋の藤原釜足、飲み屋のオヤジ田武謙三、そして関取を演じる田子ノ浦親方もよくやっている。田子ノ浦は最初たどたどしくてハラハラしたが後半は長い台詞もあるし、ちゃんと演技しているので驚いた。
「大名の子は生まれつき優秀」という設定に関して殆ど批判性も無く描いてしまっていることについては私も勿論感心しない。しかし旧作・阪妻版でも感じたことだが本作でも多くのキャクター造型、とりわけ勝新のイノセンスが御伽噺としての映画の本質を露呈させ、唾棄すべきプロットの欠陥を欠陥と認めながらも映画として納得させてしまっていると思う。「だってお侍の世の中なんだもん」という大谷直子の台詞と表情にもグッと来る。ラストカットが歩く勝新の苦渋のアップ、という選択も上に書いた批判性の曖昧な表出なのかも知れない。しかし旧作と比べれば随分と尻切れとんぼの感がしてしまうのだが。
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