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[コメント] スサーナ(1950/メキシコ)

雨。州立少年院の看板。少年院内の廊下の奥から叫び声が聞こえ、若い女性が引っ張られて来る。これがスサーナ−ロジタ・クィンターナ
ゑぎ

 女性看守を蹴ったり唾を吐きかけたりするが、独房へ入れられる。中にはコウモリ。床には鼠。窓枠の影は床に十字のサインを作っている。そこに大きな蜘蛛も現れる。スサーナは神様に祈る。すると、窓の鉄格子が簡単に外れるのだ。これは、神がスサーナを野に放したということだろう。雨の中、少年院の敷地から有刺鉄線をくぐって出る際に、スカートがめくれて白い脚が露わになる。

 次に、ある農場の邸中の場面で、女主人とメイドのフェリサとの会話シーンになる。このお喋りなメイドが面白い。途中でお坊ちゃん(息子)のアルベルトも参加する。彼は大学生で、帰省中のようだ。大雨。雷鳴。稲光。馬小屋では、母馬の出産間近かで、女主人の夫、農場主ドン・グアダルーペ−フェルナンド・ソレルと、小作人頭のヘススが付いている。唐突に邸の窓の向こうに、スサーナが現れ、悪魔!とメイドのフェリサが叫ぶ。倒れたスサーナは、ソファに運ばれるが、寝かされたスサーナを見る男たち。こゝでも彼女の太ももが露わになっている。農場主の視線が強調される。というように、喜ばしいことに、本作は紛うことなきブニュエルらしい脚フェチ映画なのだ。

 こゝからは、プロット展開の記述は最小限にとどめて、スサーナのセクシー場面中心に書いて行こう。まずは、女主人がスサーナの庇護者になるが、フェリサは、最初から、騙されていると云う。農場主グアダルーペは、スサーナの服装が煽情的で、使用人たちが変な気になると良くないから、指導するよう妻に頼む。女主人はスサーナに、胸元が開いていない、首まで詰まったブラウスというかトップスを着させるが、スサーナは、男の前に出る際には、必ず襟元をずり下げて、肩まで露出させるのだ。この所作のショットを何度も繰り返す。

 男たちの反応としては、末端の小作人まで、すぐにスサーナに色目を使うが、乗馬して小作人たちを管理するヘススが怒ってやめさせる。しかしヘスス自身がスサーナへ猛アタックする。対して、スサーナは、ヘススを繋ぎ止めながら、お坊ちゃんのアルベルトを籠絡するのだ。画面で明示はされないが、スサーナは、ヘススとも、お坊ちゃんとも寝た、ということだろう。スサーナが男たちを誘惑するシーンがいくつか出て来るが、脚立に上って高い窓を掃除するショットなどで、やはり、彼女の脚を意識させる演出がつけられている。

 そしてスサーナは農場主のグアダルーペを標的とする。農場主がハンティング(鳥撃ち)をする場面で、銃声のする中、土手のような場所を歩くスサーナの横移動ショットが、私は本作でも最も良いショットだと思う。土手から下へ滑り降りる際、やはり、スサーナのスカートがめくれ上がる。さらに、駈けつけた農場主に、脚が痛いと云って、ほとんど脚の付け根近くまで、スカートをめくって太ももを見せつけるのだ。

 というワケで、スサーナをめぐって小作人頭ヘススとお坊ちゃんのみならず、農場主まで加わった3人の男の争いのプロットになっていくのだが、このワクワクするような顛末は省略する。終盤で、スサーナの本性に気づいた女主人が、スサーナを鞭打つ場面があり、全編で、こゝだけカメラ目線の正面ウェストショットが使われるのは、ちょっと浮いた演出のようにも感じたが、スサーナの反撃で、鉄の鉤(かぎ)でもって、女主人の眼球を狙おうとする、という演出は面白い!この後、スサーナが邸の庭を引きずられていく際にも、スカートがめくれる、という徹底ぶりもいい。尚、エンディングは取ってつけたような非現実感だ。私はもっと極端なバッドエンドを期待していたので、膝カックン、という感覚になった。

(評価:★4)

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