[コメント] 甘い嘘(1999/仏)
仏映画らしい官能美と先の読めないスリルに酔えるものの、思わず現実に引き戻されるラストには少し幻滅してしまった。
甘すぎる芳香が感じ取れるような暗い画面からは、上質で不気味な緊張感と匂いの逃げ場すらない閉鎖感が伝わってきて、それがいい具合にストーリーに作用していたと思う。徐々に高まる緊張感と誰にもシンクロ出来ずに行き場を失った昂る気持ちがラストで最高潮になるも、まさに肩透かしを食わされたようなあっけない終幕で、本当に気持ちが行き場を失ってしまった感じがした。そんな事ならば謎は謎のままでも充分良かった気もする。あの極度の緊張感と不気味な官能美がラストに色褪せてしまったのがもったいない。
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04.10.05 記
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