[コメント] 甘い嘘(1999/仏)
わずかな綻びがだんだん広がっていくように、愛し合っているがゆえに、深まっていく溝。愛が憎悪に変わり、信頼が疑惑に反転していく過程は絶妙。結末に向けて緊密度は増して、謎も深まり、まさに息を呑む展開。カメラワークも秀逸で、フランスのラブサスペンスの傑作がまた誕生した。
「ヒッチコック風サスペンス」と銘打たれ、邦題の『裏窓の女』からも分かるように、ヒッチコックの『裏窓』を髣髴とさせるものがあります。
個人的には、フランスのラブ・ミステリーの秀作『アパートメント』を思い出しました。ミステリーには謎めいた美女がつきものですが、『アパートメント』がモニカ・ベルッチとロマーヌ・ボーランジェの二人の女優の存在で成功しているように、本作ではクロチルド・クローの美しさ、存在感が、この映画の成功を約束したといっていいでしょう。
クロチルド・クローといえば、前からかなりお気に入りの女優だったのですが、いかんせん脇役ばかりで、非常に残念な思いをしてきました。 それだけに、今回は、彼女が主役級の登場人物として、出演しているだけで、もううれしくてしょうがなかったのですが、映画の出来も、十分及第点をクリア、個人的には予想以上の出来となり、最後までハラハラさせてくれました。
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