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[コメント] アトミック・カフェ(1982/米)

「編集」の力をこれほど感じさせる作品もない!
田邉 晴彦

膨大な国費をつぎ込み、高らかな前評判の中、広島に投下された原子爆弾。 その威力は人々を圧倒し、日本を敗戦へと沈めた。

その結果をTV放送で伝えるトルーマン大統領のシーンが、まことに秀逸!

カメラの前でスタンバイする大統領の顔が、ほっくほくの笑顔なのである。「やってやったぜ!クソしぶといジャップもこれで終わりだ!なんならあと4・5発くらい試してみたいけどな!ヒーハー!」て感じだろう。その後、カメラが回り始めると途端に神妙な面持ちとなり、「科学的偉業」による「勝利」をアメリカ国民に伝える。

こうした当時の映像資料は、膨大なリサーチ量と確かなセンスがなければサルベージできない。優れた編集者(あえて監督ではなく編集者と呼びたい)が丹念に作っている、 そんな印象を受ける佳作である。映像はかく雄弁に語りけり。

(評価:★4)

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