[コメント] 男たちの挽歌 III(1989/香港)
ツイ・ハークのアクション自体はなかなか素晴らしいと思うのだが、この男、可哀想に思えるくらいストーリー構成が常にド下手。
ジョン・ウーの事を「女性を描くのがあまり上手くない」と言っていたらしいが、この男の描く恋愛模様も毎回拘り過ぎでかなりキテレツ。結局、男三人女一人がどうたらこうたらで何故か陥落寸前サイゴンで大暴れ(でもないか)という迷惑痴話。それ故、綺麗なショットもカッコイイアクションも山ほどあるのに、不思議なほど盛り上がらない。
サイゴンが舞台なのは、もともとマーク(チョウ・ユンファ)のモデルがツイ・ハークであり(相棒ホー(ティ・ロン・この映画の時任三郎演じるホーとは無関係)のモデルがジョン・ウー)、その監督が少年時代を過ごしたのがベトナム・サイゴンだったという事もあってなのだろう。まぁ、それでまた当人は思い入れたっぷりなんだろうが、香港と行き来する展開には散漫という印象を抱かざるを得ない。
アクション(M-16二丁撃ちとか恒例の飛び撃ちとか好きです)での見劣りはしないし悪い作品ではないのだが、前二作を思えば力不足は否めない。問題は盛り上がれないドラマ面だろう。この監督とは何本も付き合っているのでとっくにストーリー面への諦めは付いていたけれど・・・残念でならない。
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