[コメント] 三悪人(1926/米)
スペクタクル。フォードのスペクタクルは「美術」のそれのように完全な人為のものではなく、必ず人智の及ばざるところを含んだ「風景」と「アクション」のそれとしてある。凄まじすぎる炎と硝煙。そして保安官ルー・テリジェンのあまりにもイーヴルな顔に戦慄し、三悪人のヒロイズムに涙する。
三悪人が名付け親になってからを描くのが『三人の名付親』であるならば三悪人が名付け親になるまでを描いたのが『三悪人』であると云えるが、それぞれの優劣を云々することに何の意味もありはしないのだから、ここではとりあえず、壮大な土地獲得レースに取材しつつそれをクライマックスに設定しない『三悪人』の大胆さは立派にクラシックを体現してみせたロン・ハワード『遥かなる大地へ』よりも現代的である、などといいかげんなことを云ってお茶を濁しておこう。
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