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[コメント] 女必殺拳(1974/日)

とにかく戦って戦って戦って戦いまくりの悦ちゃん。でも千葉真一の方がずっと強そうに観えるという実に変な映画。アンタの存在感、凄えよ。
荒馬大介

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 本作は『女必殺拳』シリーズの第1作目にあたるもので、好評だったため半年も経たずに続編『女必殺拳 危機一髪』が製作された。自分は先にその続編の方を観てしまったくちで、その時はまあ面白いと思っていた。それから大分たってようやく1作目を鑑賞する機会に恵まれたわけだが……

 1作目と2作目は設定から話の筋まで、ほぼ一緒(笑)。香港で任務を受けた悦ちゃんが来日するのはいいとして、敵となるのがどちらも麻薬の密輸組織で、1作目では兄貴が潜入して拘束され、2作目では姉貴がボスの娼婦。少林寺拳法の偉い人にお世話にもなるし……。違うといえば、千葉真一と倉田保昭だけではないのか。

 だが、例えカンフーブームに便乗して山ほど作られた映画のうちの一つに過ぎずとも、この映画をそんなに低く観る気にはなれない。尺が短いこともあり、また派手な格闘シーンを立て続けに見せることが主なので、ストーリーは二の次で考えても問題は無いのだ。実際、これが主演デビュー作となる志穂美悦子のアクションは、実にスピーディーで格好良い。ワイヤーもなしに壁を登っていく場面を見ても、いかに彼女が鍛えられているかという証明にもなるだろう。もちろんピンチに陥る場面もあるが、それは強さの設定を無敵レベルにまで上げていないというだけのことであり、だからこそ我々は悦ちゃんを応援したくなるのだ。

 それに、無敵という点では千葉真一の方がどう考えたって上だ。この人が登場すると、全く負ける気がしない。事実、映画の中ではスピードに加えパワーもあるというとんでもないアクションを見せており、悦ちゃんのピンチにサニー千葉が応援に来た!というだけでも「あ、もうこっちの勝ちだわ」と思わせるオーラがあるのだから。

 ちなみにこの映画の英題が「Sister Street Fighter」とあるが、これは千葉真一の『激突!殺人拳』シリーズがいずれも「Street Fighter」の題名で輸出され大ヒットしていたからである。やはり千葉真一は凄かった!

 って、志穂美悦子の映画じゃなかったのか?

(評価:★3)

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