[コメント] 快楽の園(1925/英=独)
さすがにこの演出家が後に「映画の神様」とまで呼ばれるようになるとは誰も思わなかったに違いないし、撮影現場は相当てんやわんやだったとも聞くが、努めて公平に見れば、第一作がこれなら上々の滑り出しだと云うべきだろう。マイケル・バルコンという人も映画史的貢献度の点では英国屈指の製作者だな。
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映画を見終った人むけのレビューです。
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失望と恐怖に彩られた「嫁ぎ」はヒッチコックがハリウッド初期まで好んでよく取り上げた主題で、これは文字通りその原型だろう。また視覚的にキャッチーな画面を作ることにかけては既にしてかなり意識的で、というよりもそれにしか興味がないといったふうでさえある。幽霊の表象の仕方は当時にしてももはや珍しいものではなかったに違いないが、このシーンが真に迫るのは溺死殺人の折に撮られた女の物凄い顔面のためもあるだろう。恨んで出ること確実の形相である。
ヴァージニア・ヴァリはシーンごとにまるで別人のような面相をしている、ように見える、気がした。
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