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[コメント] ボーン・イエスタデイ(1950/米)

ジョージ・キューカーは『マイ・フェア・レディ』の14年前に既にこの映画で「ピグマリオン」的物語を演出していたのだ。しかしこのジュディ・ホリディのとぼけたキャラクター造型は類例の無いものだろう。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 このような演技は見たことが無い。ふざけているのか大真面目なのかさっぱり判らない。しかしやっぱりキューカーにかかるとこんな意味不明のキャラクターもとても愛しく感じられてしまう。また、ファッショな暴君キャラを演じるブロデリック・クロフォードも見事だ。

 殆どのシーンはホテルのスィート・ルームを舞台としているのだが、各部屋や通路をドアと窓を使って肌理細かに見せるキューカーの演出は素晴らしい。特にクライマックスで広間と寝室の窓を使った縦構図の演出には唸らされた。

 お話と台詞は政治臭が強く、特にジュディ・ホリデイを教育するジャーナリスト役のウィリアム・ホールデンが民主主義の権化のようなアメリカアメリカした人物でなんとも鼻白むのが難点。ブロデリック・クロフォードの曖昧な突き放しで終わるエンディングなんかは私の好みなのだが。

(評価:★4)

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