[コメント] チルソクの夏(2003/日)
昭和二本立て映画の、期待してない方がなぜかツボにはまっちゃった、そんな感じの作品。強引な設定をねじ伏せるように、丁寧に描かれるベタ感情の心地良さ。そして、主役陣のシンプルな魅力が何より。070220
前半、説明セリフや女子高生の下着姿に気恥ずかしくなり、鼻白む思いで見ていた。だって、ヒーローとヒロインの出会いや差別ネタ、時代説明の歌や道具、あらゆる描写がとってつけたような安直さの連発なんだもの。「流し」の父ちゃんは、裸のギター片手に仕事に出るし、そんな貧乏家族の娘は新聞配達してる。一方の韓国人の彼は外交官の息子だし。そんで、「彦星と織姫」が「ロミオとジュリエット」だったり。コントかよ、まったく。
だけど、一通り設定説明が終わった終盤、父親との関係など、主人公を巡る問題の数々が展開し始めると、引き込まれてしまう。一度、身をゆだねると、最大公約数としてのベタ展開に、もうメロメロ。設定や展開は雑だけど、映像自体はベタに適う丁寧な演出が施されていて、案外見れちゃうのも、この手の作品の面白さだろう。
雰囲気も方法論も、21世紀の作品とは思えないベタさだけど、何だかんだ韓国ドラマの人気の秘密もそんな「ベタ」加減だったりするし、こういうのもいいもんだ。
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