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[コメント] 俺にさわると危ないぜ(1966/日)

清順の助監督出身らしい出鱈目連発は愉しいがまだ模倣の段階に見える。反米の物語はギャグかシリアスか戸惑わせるもので匙加減が半端だっただろう。後年は振り切れ過ぎる長谷部のまだ穏やかなデヴュー作。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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忍法ガムガム弾、物差しのメジャー、忍法空飛ぶ円盤(ドーナツ盤を投擲)、左卜全の師匠から貰う米軍式の笑いガスと大砲。オクトパス・スポットってもあったが何だっただろう。

ホステスの女の子は全員忍者、という酔っ払いの発想から生まれた作品に違いなく、陸軍から米軍の金塊隠匿、あれは沖縄の財産よとひめゆりの花差した女忍者が訴え、「戦中、差し押さえに反対した私たち一族を皆殺しにしたの」というマジな展開は、軽いコメディ向きではなかっただろう。金塊は旧札に替わっていて価値を失っていたというオチもよく判らなかった。

松原智恵子の露出で白いビキニは美しく、ここに塗料吹きかけられたり、旭の悪夢で三原色の背景に追い回される件などは清順の助監督経験者らしい無茶。倒れた旭に沿って地面に青い塗料が流れる件は『気狂いピエロ』が想起される。物語は明らかに反米、従軍カメラマンの旭は冒頭ベトコンの米トラック爆破を取材し、次はベイルートに飛ぶと云っている。カラーワイド。

(評価:★3)

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