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[コメント] ウルフ(1994/米)

メイク殆ど無しでも充分狼男を演じられるジャック・ニコルソン。素のままイッちゃってますねえ。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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 今やすっかり演技派男優として定着した観のあるニコルソンだが、元々はコーマン門下の出身で、デビュー作以降しばらくはB級ホラーにばかり出演していた。そんなこともあってか、ホラーには割合相性が良いらしく、狼男ものである本作にもちゃんと(?)出演してる。

 実はかなりこいつには期待していた。なにせ『シャイニング』(1980)や『バットマン』(1989)のニコルソンの怪演は記憶に新しく、又やってくれるだろう。と言う期待度満点。  …実際、本当にニコルソンの演技はすさまじかった。狼男と言っても、メイクは最小限。殆ど毛深いだけの普通の人なのに、この人が演じると、素のままでもホラーになってしまう。前半部分で多少いやらしくはあっても、ストレスにうちひしがれてる姿と後半部分のスーパーマンと化した姿とのギャップがなんと言っても凄い。あの笑みは心底怖かったぞ。彼に対抗するスペイダーも完全にいっちまった役を嬉々として演じてるみたい…ってか、この二人に対決させようなんて発想がまず凄いぞ。一応のヒロイン、ファイファーもラストの変貌が又良いんだ。

 ただ、一方、ストーリーは…う〜ん。なんだか『ザ・フライ』(1986)そのまんまって感じだったし、怖さの演出も全然出来てない。あんまりにも物足りない。

 結局、これはキャラクターでのみ観るべき作品ってなことなんだろうな。それ以外が大切なんだが…

(評価:★3)

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