[コメント] 雀(1926/米)
メアリー・ピックフォード演じる少女に聖母マリアを重ねて信仰心の大切さを説いた子供から大人まで楽しめるファミリー向けアドベンチャーなのだろう。物語の展開、人物の個性と挙動、カット割りと編集。どれをとっても“分かりやすさ第一”の演出見本のようだ。
サイレントながら、この映画文法の教科書のような語り口なら、日本語字幕がなくても日本の子供にもストーリーが理解できるでしょう。今ふうに言えば、まさに映画演出のユニバーサルデザイン。軟禁されたあばら屋の壁板の隙間から、そっと手だけ出して、子供たちが仲間に別れを告げる演出なんてまさに言葉など不用。切なくも心温まる名シーンでした。
監督のウィリアム・ボーディンを知らなかったので調べてみました。1960年代にテレビ版「名犬ラッシー」を再編集カラー化して映画版(『名犬ラッシーの大冒険』『名犬ラッシー ラッシーのクーガーはともだち』)にまとめた方だそうです。なるほどファミリーアドベンチャーの手際の良さにもうなずけます。日本で1960年代に放映されていたモノクロのテレビ版もこの監督の仕事なのでしょうか。だとしたら私は、もの心ついたころにはすでにボーディン監督のファンだったことになります。
10代の少女を演じたピックフォードは当時34歳だったそうです。ウイキペディアによると彼女の身長は154センチ。これもなるほど納得です。
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