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[コメント] 愛に翼を(1991/米)

オリジナルのフランス版観賞時に大感動し、ハリウッドのリメイク版には当初、疑問を抱いたものの、こちらも観賞してみると標準はキープしている。ナイーブでデリケートな個々の抱える問題を軸にきちんとドラマを作り上げるのに成功している。ジョンソンがダークホースで何げに好演。
TOBBY

**ネタバレ注意**
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オリジナルを観賞時に、フランスの片田舎だからこそ成功しえる世界だと思った物だが、アメリカの田舎に置き換えても、ちっとも違和感が無かった…。 まぁこれが日本に置き換えようとすると流石に無理が生じると思うが(四国、九州辺りなら可能?)。 何といっても本編の目玉は私生活でもすったもんだのあったジョンスングリフィスが冷えきった夫婦を演じている点。しかしグリフィスはトラウマを抱え覇気を失ったナイーブな役柄を、ただ暗く重く憂鬱そうに演じるので作品を平板にさせてしまう。 かえって期待していなかったジョンソンが田舎のオッサンのわりには奇麗に日焼けし垢抜けているものの不器用さと、幼い孤独なウイラード(イライジャ)の心を子供に取り入りすぎずにキャッチする繊細な演技を見せる。 イライジャ演じるウイラードはお坊ちゃん育ちだが陰りを抱える役なので、子役時代のイライジャのど真ん中ストライクゾーンで違和感が無い。 野育ちでウイラードのベストフレンドになる隣家の少女役のソーラ•バーチが天才的な演技を伸び伸びと好演。 鈍そうなグリフィスよりも、様々な表情を見せ、作品をカラフルに彩るのはすべてバーチ。彼女とウイラードの別れのシーンは、子供らしくさりげないが心から泣けるし、失神シーンは笑える。 テーマとなるウイラードの両親の問題、ウイラードの臆病さ、バーチ演じる少女の家庭の問題と孤独さ、ジョンソン演じる夫婦の問題と、すべて心や感情の問題であり抽象的で表現しずらいものをサラリと見せ切るオリジナルの発想には恐れ入る。邦画だと大げさに説明した挙げ句に失敗しそうなテーマである…。

(評価:★3)

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