[コメント] 25時(2002/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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24時の次に存在する架空の60分。そこには未来への理想(罪を償わずに逃げて、過去を隠して理想の人生を生きる)が詰まっている。
しかし実際はどうか。モンティは人をヤク中にした金で生き、運命の恋人も信頼出来る友人も父親もいて、金もある。しかし結局の所、犯罪者である事は間違いなくいつかは捕まり刑務所に入る事になるのである。これはアメリカのメタファと捉えるのが正解だろう(実際、フランクのアパートのシーンで、9.11後に戦争に踏み切ったアメリカと逮捕されたモンティが、どちらも後に引けないドツボ状態にハマっている事を暗喩するシーンがある)。
しかし、もっと単純に見るとこれは登場人物達の「後悔先に立たず」の物語で非常にドライな作品なのだ。そしてそれが結果的に「彼(ら)が望んでこうなった」と解釈されても仕方ない、どーしようもない人達の現実だ。
モンティ(リア充の罪人)、フランク(他人を見下す癖ありの情に厚いチャラ男)、ジェイコブ(一番正常に見える変態)、ナチュレル(恋人の悪行を見ぬふりする善人)、それぞれが独自の個性をちゃんと持ってるのも面白い。ジェイコブは次の日どうする気なんでしょう。過去から逃げても過去は追ってくる。『マグノリア』でのそのセリフがピッタリと合うような作品だった。
※モンティの部屋にポール・ニューマンの『暴力脱獄』のポスターがあるが、モンティの様子を見ると映画の様にはいかなさそうだよね。理想と現実のギャップがここにも。
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